建築士と建築家

昨日新潟で今度出版する本の原稿チェックが行われた。
日本建築家協会監修による「新潟の建築家14人」という本だ。
話し合ったのは巻頭の文章について。
耐震偽装で建築に対する消費者の信頼は落ちている中、建築家のあるべき姿を書いているのだが、建築士と建築家の境界が微妙だ。
耐震偽装を行ったのは建築士である。
建築士はいわゆる国家資格で延べ30万人とも言われている。
一般に建築士の資格を有すると言っても、その職種は様々で、設計事務所を主宰しているのはほんの僅かである。
大抵はどこかの建築系の会社に帰属しており、その利益確保のために働いている。
また、設計事務所であっても施工会社の下請として生計を立てているところが多い。
結局のところ企業利益のために働き、施主のほうは向いていないというのが実情だ。
いっぽう建築家というのも微妙である。
諸外国のように建築家という資格は無いが、世界の建築家という称号に匹敵する人材確保のために日本建築家協会が設立された。
しかし、こちらもマイノリティで知らない人のほうが多い。
新潟では僅か20名足らずの登録者だ。
建築家が国家資格として保証されていない限り、建築士のように試験も無いので誰でもその称号を使おうと思えば使うことが出来る。
建築家が建築家たるところは企業に帰属しないところだ。
あくまでも独立中立のポジションで居られる。
クライアントである消費者の側にしがらみ無く位置することが出来るのだ。
クライアントに不利になる偽装など自分の首を絞める行為にしかならない。
そういう意味でクリアなのだが、現実には建築家のほとんどは建築士でもある。
建築士という資格を捨てても十分食える有名建築家にならないかぎり、その住み分けは微妙なのだ。
自分たちが微妙であると認識している現実があるのに、消費者に建築家と建築士の違いを認識させるのは困難だ。
そんな話であっという間に時間が過ぎてしまった。
なかなか解決の糸口が見えない。
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